コードネーム 台茶18号。

 

つい先日インターネット上の記事で、「幻の紅茶・台茶18号」という見出しがありました。

この名前は台湾茶業改良場で良質な茶に振られる、いわゆるコードナンバー。

18号は、後に「紅玉」という名を冠されます。

何故その記事が「幻の」といったのかはよくわかりませんが、美しい湖 日月潭のほとりで作られるこの独特の甘みと香りを持った紅茶は、かつて日本人研究者が深く関わったストーリーを持ちます。

 


美しい湖「日月譚」を見下ろす場所に、80年も昔に建てられた茶業改良場。

 

様々な調査の上でこの地が紅茶の一大産地になると確信し、それからの全生涯を捧げた日本の農業技師、新井耕吉郎の記念碑が静かに佇みます。後に彼は「台湾紅茶の父」と呼ばれるようになりました。
ここでつくられる紅茶は他のどの国の茶に比べても香りが濃厚で、トロリとした甘みを持ちます。

手摘みした一芯二葉を自然乾燥し、約80%発酵。
ピンクがかった橙色の水色で喉越しが強く、ほんのりとミントの香りも漂います。
茶葉を切り刻むことなく、一枚一枚の葉がしっかりと形を残しているため、量や時間で風味のコントロールがし易く、雑味がなく、他の台湾茶のように何煎も淹れられます。

 

(茶殻の画像 右は比較的茶葉の大きな高級ダージリンの茶殻。左は紅玉の茶殻です)
インド、スリランカの紅茶とはハッキリと一線を画す、芳醇な熱帯フルーツの香りにも例えられる台湾紅茶の逸品です。

終戦後、台湾は国民政府に接収され、この茶業改良場も日本のものでなくなります。 新井耕吉郎は自ら望み、技師としてこの地に留まることを決めますが、間も無く病に倒れ42年の生涯を終えました。

 

■ 紅玉(有機栽培)20g ¥1,250(税別)

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